ケロケロぴーの未知標パート2

家主ケロケロぴーの思い出し思い出しの日記です。

映画『深紅』

 買って何年も経っているのに、読んでなかった野沢尚氏の『深紅』。今年にはいってから、買って読んでない本を何冊か読み出しました。数冊は、断念。きっと、買ったときも読みだして、読み続けることができず断念したものだったのでしょう。『深紅』は、ストーリーを知りながら、どうも自分には重いかなと思って、まったく手付かずの本でした。久々に一気に読めました。私が買った文庫本の解説に書かれていた「前半の重さと後半の弱さ」。多少の違和感を感じたものの、家族を殺された主人公の気持ちがきちんと書かれていて、さわやかに終わっていました。じゃあ、加害者の娘であるもう一人はというと、どうだったのだろうかと疑問に思って、映画を観てみました。
 
 コトの発端の事件の詳細は後半に移動していました。前半の重さというのは、解消できたかもしれませんが、逆に、前半の主人公の気持ちや行動がわかりにくくなっていました。しかし、加害者の娘については、ラストに携帯のアドレスを消す映像のおかげで、明瞭になりました。本を読めば、主人公の気持ちが、映画を観れば、加害者の娘の気持ちが、ラスト盛り上がりのキスシーンに対する二人の気持ちがわかるようになっていたような気がします。それでも、コトのきっかけの事件は、ぼやけてしまいました。惜しむらくは、野沢尚氏にドラマでもう一度脚本を書いて、この『深紅』を表現して欲しかったです。
 映画は、年齢的には20才になった少女二人が、大人になっていく……そんな感じがありました。ただ、コトの発端の事件が悲惨すぎるので、この話をバランスよくつむいでいくのは、かなり至難の業だと思います。小説も映画もバランスがいいとはいい難い。野沢氏がもうこの世におらず、もう一度作られた『深紅』を観ることができないのは、本当に残念です。

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