ケロケロぴーの未知標パート2

家主ケロケロぴーの思い出し思い出しの日記です。

本『私を離さないで』カズオ・イシグロ

 久々に、フィクションの小説を読みました(長編の)。
 最近、NHKで特集されていたイギリスの作家『カズオ・イシグロ』。
 人種的には日本人、生まれも日本、
 でもイギリスで育ち、今でもそうであり、映像を見る限り、日本語をしゃべっている様子はありませんでした。
 話の設定を前もって知っていたので、最初からネタばれ状態で読み始めました。
わたしを離さないで

(続きでもネタばれなしです)
 
 このお話の設定の中に大きなネタが隠れているけれど、私はあまり描かれていない主人公の仕事《介護人》に共感を覚えました。
 私の仕事は別のものであるのだけれど、やはり、ある期間、人に寄り添う仕事。無縁な私でさえ、この仕事は、相手の気持ちに引っ張られ、うんと引きずり込まれそうになったりする。「がんばれ」なんてことを口が裂けても言えず、「あなたの未来のためにこれが必要」と押し付けがましく毎日やることを考え、準備する……相手の気持ちが正に切り替わるまでの期間、自分の気持ちが沈まないようにしていくことで精一杯のときもある。
 この主人公キャシーのことを考えると、
「(あと八ヶ月で)ほぼ十二年できっかり働くことになります」(本文より)
かなりの負担だろうと思います。
 キャシーは
「……自制し、泣きじゃくりはしませんでした。……行くべきところへ向かって出発しました。」(本文より)
と、たぶんあと八ヶ月、淡々と働くのだろうと思いました。思い出を胸に。
 この本のタイトル、
『わたしを離さないで』がとても効いています。
 タイトルはこうでなければ。

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